【書籍】苦役列車 西村賢太(著)

2015年07月24日
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お笑い芸人ピースの又吉直樹が小説「火花」で第153回芥川賞を受賞して話題になっていますが、過去同賞を受賞している西村賢太著の「苦役列車」を読んでみました。

内容紹介
劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は―。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。

主人公北町貫多のようなダメ男に、実際に関わると、どっと疲れて、大いにストレスを抱え込まされることになるのだろうが、貫多の妬み嫉み溢れるひねくれ具合や夢も希望もない生活、そのくせ変なところでプライドが高い内面が私小説として語られると、たちまち滑稽で愛すべきキャラクターとなるから面白い。ちょうどフーテンの寅さんのような感じ。

他人の幸せや自慢話を聞かされても面白くはない。やはり人の不幸は蜜の味なのだ。ただ蜜を吸ってしまうと後味の悪さを感じるのも人間。しかし、ここではその悲惨な不幸話を本人が自虐的に語っているので、後味の悪さを感じる必要がない。思いっきり「自分よりも悲惨な奴がいる」と楽しめるのではないだろうか。

そして、北町貫多であり、ダメ男である著者の西村賢太が、芥川賞受賞会見で「そろそろ風俗でも行こうかな」と発言したことも、蜜を楽しむ読書を決して裏切らず素晴らしい。

どこか視点がズレ気味の感想になってしまったが、個人的には、併録された「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」の方が好み。

その中で貫多が、川端賞を受賞したい思いから漏れる本音が最高だ。

もって実力者の書き手として、訳知らずの編輯者から、訳知らずにでよいからチヤホヤされたかった。数多の女の読者から、たとえ一過性の無意味なものでもいい、とにかく一晩は騙せるだけの人気を得たかった。

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