不格好経営―チームDeNAの挑戦 南場 智子(著)を読了したのでご紹介。
率直な感想は読む前になんとなく持っていたDeNAの印象とは全く違うということ。
すごくいい会社だなと。
書籍名が不格好経営なので、もちろん不格好なゴタゴタは様々巻き起こりますが、それを吹き飛ばす強烈な強みがこの会社にはあります。
一つは著者でもあり創業者の南場氏がマッキンゼーでコンサルティングをしていた時の凄すぎる人脈。
そしてもう1つは優秀な人材。採用活動に命をかけている様子が伺えるので努力の賜物ではあるのだが、うらやましい限りです。
その2つの強烈な強みと南場社長の人間性が化学反応を起こしています。
この社長の社員に対するスタンスは素晴らしい。
全く虚勢を張らず、社員、役員のモチベーションが最大限に上がる道を自然に選択しているかのようです。
その姿勢は次の文章にあらわれています。
管理職かメンバーのひとりかというのは、上下関係ではなく役割の違いだ。人をまとめる仕事と、ひとりのエキスパートとして腕を振るう仕事に上下関係があるとは思えない。
上司は部下の能力を最大限に引き出すのが仕事なわけだから、モチベーションが上がる環境を用意する必要があります。
失敗に対して頭ごなしに怒鳴ったり、能力を貶す行為は間違いなくモチベーションを下げる。
モチベーションを下げるのにも関わらず、人を使う立場になるとついやってしまう。
だからこそ、経営者自らが「上司と部下は上下関係ではなく役割の違いだ」という考えを浸透させている姿勢には強く賛同します。
現在創業者の南場氏は夫の病気により代表から取締役に立場を変えているが、今後DeNAが目標とするIT業界のグローバルリーダーとなれる日が来るのか注目です。