先日、この連作短篇6作のうち1作目を呼んだところで、「アイネ・クライネ・ナハトムジークは「小さな夜の曲」という意味らしい。」を書きましたが、あっという間に読了です。
内容紹介
ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL……。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ! ! 伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説!
伊坂幸太郎は恋愛物も面白い
大ファンだと公言するミュージシャン斉藤和義と一緒に仕事ができるチャンスを逃したくないと必死で書いた恋愛物がキッカケで生まれた本作ですが、著者らしい面白いアイデアを使って話を盛り上げ、しっかり伊坂色たっぷりの痛快な恋愛作品に仕上がっています。
例えば、離婚した夫婦がよりを戻す際には、通帳に印字される振込元名をメッセージに変えて振り込みます。こんなアイデアよく思いつくもんだと感心します。この方法は離婚後、直接連絡が取れなくても、養育費を振り込んでいればチャレンジできますからね。
また、本作でも得意の登場人物たちが繋がっていく趣向をそのまま取り入れています。そのため、しっかりとキャラが立っています。キャラが薄いと繋がりがピンときませんからね。ということで個性的なキャラをいったい誰が演じるのかと映画化をどうしても期待してしまいます。もし映画化されたら斉藤さん役はぜひ斉藤和義にやってもらいたいですね。
もし出演を拒否されたら、この曲のフレーズを聞かせてやれば大丈夫でしょう。
『オーイエー! 行こうぜ! もう、準備ならできている。ホップ、ステップ、ウォームアップ、オーノー! その次はジャンプだろ! 「変わらないで」なんて、新しいことを望まぬ人よ、さようなら』