内容紹介
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。直木賞作家による、企業を舞台にしたエンタテインメント小説の傑作!
「半沢直樹」シリーズ第3弾
最終回視聴率42.2%と大ヒットしたTVドラマ「半沢直樹」。その原作シリーズ第3弾です。今作で半沢さんは東京中央銀行の子会社である東京セントラル証券への出向しており、そこで新興IT企業の敵対的買収、買収防衛に関わっていきます。その内容はホリエモン率いるライブドアによるフジテレビの買収騒ぎを彷彿とさせるものです。
一度は敵対的買収を仕掛ける側のアドバイザーに付いた東京セントラル証券でしたが、その座を東京中央銀行に奪われてしまいます。もちろん「やられたらやり返す。倍返しだ!」の半沢さんですから
このままでは済みません。買収を仕掛けられた側のアドバイザーに付いて東京中央銀行と真っ向勝負です。「それって利益相反行為じゃないの?」という声なんか気にせず、銀行員生命をかけて相手の不正を暴いていきます。今作でも半沢さんは相変わらず男前です。
ネーミングに引きつけられました
まず意味深なタイトル「ロスジェネの逆襲」につられて本を手に取り、そして本を開くと一行目から「電脳雑技集団の・・・」。電脳雑技集団とは敵対的買収を仕掛けるIT企業名です。個人的にはこれらのネーミングに完全に引きつけられてしまいました。消費行動のプロセス「AIDMAの法則」のAttention(注意)にまんまとハマった感じです。
ネーミングって大事ですね。TVドラマ「半沢直樹」だって、原作の『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』というタイトルだったらあそこまでヒットしなかったでしょう。
面白すぎて一気読み
面白くてページをめくる手が止まりませんでした。一気読みです。池井戸さんの小説はスカッとするので、ストレス発散に効果的です。
早いうちに半沢直樹シリーズ第4弾の「銀翼のイカロス」も読みたいと思います。