本のタイトルを見ると、料理のレシピが書いてある本と勘違いしてしまいますが違います。そう思って読んだら物足りないかもしれません。
本書はIT、メディア分野を中心に執筆しているフリージャーナリストの佐々木俊尚氏が書いているので、レシピ以外の話題も盛りだくさんで、料理にまつわるエッセイという感じです。
佐々木氏は「光の道」構想でソフトバンクの孫正義社長と徹底討論をしたあの方です。
内容紹介
値段の高いスーツを着て食べに行くフレンチレストランみたいな派手な「美食」でもなく、かといって散らかった家でジャージを着てむさぼり食うコンビニ弁当や、「鍋の素」でつくった人工的な味の鍋のごとき「ファスト食」でもない。さらにいえば、やたらと無農薬野菜やオーガニックにこだわるような「自然食」派でもない。しっくりなじむ洗いざらしの綿のパンツと清潔なシャツを着て、簡素な台所に立ち、素早く手軽に、しかもお金をかけずに健康的で美味しい家めしをつくる。
そういう食生活をおくるための簡素でシンプルで実践的なやりかたの一部始終が書かれています。
日々「今夜の晩ごはんはどうしよう?」と悩まれる方は多いと思いますが、そんな方に「日常の食事をもっと美味しく、かんたんに」するハウツーなども書かれています。
それでは、本の中で登場するレシピを一つをご紹介します。料理はホウレンソウのおひたしです。実際に作ってみたので写真付きです。
1.ホウレンソウを水洗いします。
ボウルに水道水を流し込みながら、ホウレンソウの根元を持って降るように葉っぱを洗います。根元側も洗います。
2.ボウルに新しい水道水を入れたら、ホウレンソウを生け花のように浸けておきます。
最低10分くらい。ぐったりしていた葉っぱがぱりっと広がり、緑が瑞々しくなっていくのがわかります。
3.ボウルからホウレンソウを取りだし、ボウルに新しい水を張って、氷を投入します。
4.大きめの鍋に湯を沸かします。
沸騰しているお湯の中にホウレンソウを一株ずつ投じます。
5.10秒経ったらすぐに菜箸で取り出し氷水に放ちます。
これを一株ずつ続けていきます。
6.一束ぜんぶ終わったら、冷水からホウレンソウをまとめて取り出し、手でぎゅっと絞ります。
7.まな板の上で5センチ幅ぐらいにザクザク切ります。
8.ボウルに戻し、上から醤油をさらりとひと回しかけます。
手でざっくりと混ぜ合わせてできあがり。お好みで鰹節をかけます。
とても簡単な料理ですが、熱いお湯で一株ずつ茹で、一気に冷水で締めることでピシッと引き締まったおひたしになります。酒のつまみに最高です。
■さいごに
ホウレンソウのおひたしの他にも健康的で簡単に作れるレシピが紹介されています。私は著者と同じくフリーランスです。自宅兼事務所なので、安上がりなので自炊することが多くなります。そんな自分にとっては魅力的な料理法が満載でした。
規則正しい生活で自分を自分でコントロールしないと仕事もうまくいきません。食事を変えると体調が良くなり、「ちょっと腕立て伏せでもしてみようかな」というように生活スタイルが変わります。そのキッカケに最適な本だと思います。