夜遅くまで根を詰めて制作作業をしていると、その後なかなか寝付けないことがあります。
昨夜もそうでした。そんな時は読書に限ります。
おもむろに、未読だった伊坂幸太郎の「アイネクライネナハトムジーク」を開きました。
この本は短篇集です。一作目のアイネクライネは主人公の佐藤が街頭でアンケート調査をしている場面から始まります。
佐藤はマッケットリサーチ会社に勤めており、依頼された内容に合わせた市場調査の最中です。普段はネットを使っていますが、この日は業務中に起こしたミスのバツゲームで街頭に出て非効率な作業をしています。
ここから私の思考は「アンケート調査って・・・」と脱線。
アンケート調査に信頼性はない
アンケート調査をする場合、対象者全体を対象とするとコストがかかるので、母集団の一部を抽出した標本調査が行われますが、その代表例として視聴率調査がありますね。
昔はこの標本調査というものを信じていませんでした。でもある時、「じゃお前は味噌汁の味を確かめるために、全部飲まないと分からないのか」という感じの書き込みを見て、「なるほど標本調査とはそんなものなのか」とそれから疑いをあまり持たなくなりました。
でも「視聴率調査の対象者って誰なんだろう?」という疑問は昔から変わりません。 宝くじの当選者と一緒でいまだに自分が対象者だといいう方に会ったことがありませんから。
そんなことを考えていたら、味噌汁の話もなんだか上手く丸め込まれているだけのような気がしてきました。味噌が溶けてない場所だってあるだろう。やっぱり信用できません。
そもそも、アンケート調査の多くは専門の会社がビジネスとして行っていて、そこには依頼主がいるわけです。当然ですが、依頼主はどんな結果が欲しいのか意向を伝えるでしょう。そして、リサーチ会社はそれに応えてナンボです。意向に沿った報告書を提出できるスキルを持った会社は需要があるでしょうからね。
ますます信用できません。アンケートに答えれば、抽選でAmazonのクーポンが当たると書かれたハガキにも、「もしかして当たるかも・・・」なんて思ったら負けです。
そんな感じで思考を巡らしたあと、本に戻ったらまだ7ページでした。
その後も、何度も思考が脱線し、44ページしかない短篇なのに、読み終わるのに時間をかかり過ぎました。
伊坂幸太郎には珍しく恋愛物
ここまで本の感想は何一つ書いていませんでしたね。まだ短篇の一つを読んだだけですが、読み進めるのが楽しみな感じです。伊坂幸太郎には珍しく恋愛物なんですよね。
あとがきを見たら、ミュージシャンの斉藤和義からのオファーがきっかけとなって書いたそうです。苦手な恋愛物だけど、大ファンと一緒に仕事ができるチャンスを逃したくないと頑張ったみたいです。
斉藤和義は、この短篇の文章を使って「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」という曲を作っています。
そして、今それを流して仕事をしています。あらいい曲じゃん。