2016年10月28日(金)映画「インフェルノ」が公開予定ということで、読んでみました。
内容紹介
「地獄」。そこは“影”――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付くが――。
ロバート・ラングトンシリーズ第4弾
本作品は天使と悪魔、ダヴィンチコード、ロスト・シンボルに続くロバート・ラングトンシリーズ第4弾。
お馴染みのシリーズです。
物語は芸術の都フィレンツェからスタートしますが、世界遺産であるフィレンツェ歴史地区にある「ヴェッキオ宮殿」や「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」「ピッティ宮殿」などを舞台にとにかく逃げ回ります。
逃亡中はラングドンの回想により、それらの歴史的建造物や美術作品の詳細が語られるため、いつものような疾走感が感じられずに、なかなか一気読みできずにちょっと残念。
フィレンツェからヴェネツィア、イスタンブールと舞台が移動していくに従って、スピード感を持って物語が進み始める感じです。
今回のキーワードは、人口過剰問題と遺伝子工学。
人口が一日当たり25万人ずつ増加しているという現状を危惧した、世界的に有名な遺伝子工学者「ベルトラン・ゾブリスト」が人口抑制のために暴走します。
事態の解決に向け、ラングトンはダンテの「神曲」を暗号として謎解きしていくわけですが、知的好奇心をくすぐられる情報量と謎解きのゲーム性がこれまでの作品と比べると薄いですね。
駄目だしばかりになってますが、きっと映画は面白いと思います。
小説では歴史的建造物や美術作品などを活字で説明しすぎるため、物語が間延びしちゃってますが、その点は映像でシンプルに解決できるので。
今年の秋公開の映画に期待しましょう。