今更ですが、2013年に第10回本屋大賞を受賞してベストセラーとなった「海賊とよばれた男」を読んでみました。
内容紹介
『海賊とよばれた男』は、百田尚樹による歴史経済小説。 主人公の国岡鐡造は出光興産創業者の出光佐三をモデルとしている。国岡鐡造の一生と、出光興産をモデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれている。2014年1月現在、上下巻累計で170万部を目前としたベストセラーとなっている。
美談・美談・美談の連続
上・下巻を通して、想像を絶する苦難に主人公の国岡鐵造は立ち向かい続けます。
「セブン・シスターズ(七人の魔女)」と呼ばれる石油業界のメジャーを敵にまわして、外国からガソリンを輸入したかと思えば、イラン国営石油会社と契約し、今度はイギリス政府を敵にまわします。
国内においては、石油統制会社にも反対していたため、石油業界で完全に孤立しています。まわりは常に敵だらけ。一歩間違えば、倒産するリスクを冒して、常に何かと戦っています。
戦う理由それは、「国岡商会のことよりも国家のことを第一に考えよ」という信念を貫くため。国岡鐵造は利益を優先しません。
第二次大戦後、売る石油が無く、「店主、このままでは、国岡商店は潰れます。涙を呑んで人員整理を」という進言にも頑なに耳を貸さずに一人も解雇しません。しかも、戦時中は自分の財産を投げ打って徴兵された社員の家族に給料を送り続けています。
石油業法による生産調整に反対し、石油連盟脱退した期間も経理担当に命じて、合計1億円以上の連盟会費を納めさせています。
美談、美談、美談の連続です。おそらく脚色もあるでしょうね。だから小説のモデルである出光興産の出光佐三を国岡商店の国岡鐵造として書いたのでしょうか。
それでも、この美談に心を動かされ、何度も涙が込み上げてきました。すごい人がいたもんだなーと。
ネットでは、「海賊とよばれた男」がついに映画化! 主演は「永遠の0」で日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞を受賞した岡田准一さん、今年の秋にはクランクインなどと全く真偽不明の情報が出回っておりますが、本当であれば楽しみだなと思うと同時に、どうか小説の感動を損なわない作品にして欲しいと願うばかりです。