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東京物語 ニューデジタルリマスター
内容紹介
世界の映画史上に燦然と輝く巨匠・小津安二郎の代表的名作!!――― 尾道に住む老夫婦、周吉ととみが東京で暮らす子供達を訪れるために上京する。子供達は久しぶりの再会で二人を歓迎するが、それぞれ家庭の都合もあり、構ってばかりはいられない。結局、戦死した次男の嫁、紀子が二人の世話をすることになる。老夫婦は子供達がすっかり変わってしまったことに気づくのであった……。 ラスト近く、ひとり残された夫が、静かに海を見つめているシーンが印象的。人間の孤独感、死生観といったテーマをとりこんだ味わい深い名作。
主演: 笠智衆, 東山千栄子, 原節子
ニューデジタルリマスター技術ってすごいね。
『東京物語 ニューデジタルリマスター』を見ました。
1953年の作品ですが、フィルムの1コマ1コマをスキャニングして修復する最新のデジタルリマスターを使用しているだけあって、白黒映画であることを忘れてしまうほど美しいです。
サウンドのノイズもうまく処理され、ニューデジタルリマスター技術おそるべしです。
これぞ名作。なんだか恥ずかしい気分になる。
故郷尾道から東京で暮らしている子供たちのもとへ訪ねる年老いた両親。上京先の子供たちはそれぞれ家庭を持ち、自分の人生が大事になっている。
そんな上京時のなにげない家族の姿が、「小津調」と呼ばれる独特の演出により、寂しく、切なく、悲しく、美しく描かれています。
あまりよく知らない親戚のおじちゃんおばちゃんが訪ねて来た時の家がいつもの日常ではなくなるあの感じ。
私が幼い頃に抱いていた言葉ではうまく説明できないあの感情が蘇ります。懐かしさがこみ上げる。
人の営みにおいて本当に大切なことはこの映画の中に全てあるような気がします。
人生から本当に大事なものだけ以外は削ぎ落としたら残る本質。
「生まれてから死ぬまでの間にすることは人によって大差はないんだよ」って言われているような気になリます。
差だと思って、自信にしたり、悩んだり、無理したりしてきたことは些末なもので、どうでもいいことだったと死ぬ前に思うのかもしれません。
そんなものは錯覚だったと。
この映画をみると、なんだか恥ずかしい気分になってしまいます。
今の自分の生き方と照らし合わせて、自然と身につまされるのでしょうかね。
とにかく素晴らしい映画でした。