ニック・ビルトン著の「ツイッター創業物語」の紹介です。
4人の共同経営者を軸にツイッター創業前から現在までを描いた全米ベストセラーです。
4人の共同経営者は
・ブロガーの創業者でもある「エバン・”エブ”・ウィルアムズ」 通称エブ
・スクエア創業し、「ジョブズの再来」という評判を得る「ジャック・ドーシー」 通称ジャック
・ストックオプションを放棄してGoogleを辞めた「クリストファー・”ビズ”・ストーン」 通称ビズ
・ツイッターという名称の発案者だが追放され社史からも消された「ノア・グラス」 通称ノア
ツイッターはポッドキャストで一発当てようとしていたベンチャー企業オデオ時代に仲間だったITオタク達が出したアイデアから生まれています。
ツイッターのサイトを開くと、140文字以内のテキストを入力するボックスには「いまどうしてる?」を書かれています。もともとは「いまなにしてる?」でした。この改変には個人の状態(ステータス)が重要だどするジャックと周囲で起きている出来事の状態(ステータス)が重要だと唱えるエブとの争いが関わっています。この改変時にはエブがジャックをCEOから降ろし、自らが会長からCEOとなっています。
創業後、ツイッターの人気が高まるにつれ、サーバーダウンに悩まされ続けます。Ruby on Railsで書かれたソースも酷いものだった様子が伺えます。しかも2006年にスタートアップし、2010年ころまで10セントも稼いでいないというから驚きです。
サーバーダウンに悩まされながらも、ツイッター社の外部評価はうなぎのぼりで企業価値はぐんぐん上がっていきます。しかし社員は少なく、経営陣の関係は創業からめちゃくちゃです。この書籍の副題は「金と権力、友情、そして裏切り」です。
ウォルター・アイザックソン著の「Steve Jobs」やデビット・カークパトリック著の「フェイスブック」にも米国のITベンチャーの代名詞とも言える金と権力にまつわる裏切りは出てきますが、ツイッター社にまつわる裏切りは輪をかけて酷いものです。
裏切りあった結果、現在のツイッターには4人の共同経営者のうちジャック以外はいません。ジャックもエブから一度はCEOの座から降ろされ、経営から外されています。
共同経営者のノア以外は巨万の富を手に入れていますが、本当の幸せはそこには無い様子で締めくくられています。
ノアもツイッターの社史から消され落ち込む日々を過ごしますが念願の娘を授かり、再起を願います。
現在のCEOは2009年9月にエブが必死にツイッターに招き入れた友人の「ディック・コストロ」です。米国時間4/29の午後発表された、2014年第1四半期の業績は売上2.5億ドルと好調です。
今後ツイッターはどう進んでいくのでしょうか。